補聴器の効果はどれくらい?満足度54%と、差がつく理由

「補聴器をつけたら、どれくらい聞こえるようになりますか」。店頭でいちばん多いご質問です。
効果の話は、よいことばかり並べても実感と合いません。ここでは日本補聴器工業会が全国で実施している調査の数字をそのまま使って、実際にどれくらいの方が満足しているのか、そして満足できるかどうかは何で分かれるのかを整理します。
満足している人は54%です
補聴器をお持ちの方の全体的な満足度は54%でした。2022年の調査では50%でしたので、少しずつ上がっています。
この数字をどう受け取るかですが、裏を返せば半数近くの方は満足に至っていないということでもあります。実際、同じ調査で「期待どおり、または期待以上に良く動作している」と答えた方は68%でした。
出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会)。補聴器所有者 n=448。
つまり補聴器は、買えば必ず満足できるという機器ではありません。だからこそ、何が満足と不満を分けているのかのほうが、平均値より大事だと考えています。
分かれ目は、誰が調整したかでした
同じ調査を、どこで手に入れた機器かで分けて集計すると、はっきり差が出ます。

| 手に入れた経路 | 満足度 | 1日の平均使用時間 | まったく使っていない |
|---|---|---|---|
| 認定補聴器技能者が対応した補聴器 | 60% | 8.3時間 | 3% |
| それ以外の人が対応した補聴器 | 53% | 8.9時間 | 3% |
| 集音器・通販で入手したものなど | 46% | 3.8時間 | 33% |
出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会)。補聴器所有者 n=448。
いちばん差が出ているのは、満足度より「まったく使っていない」の欄です。集音器や通販で手に入れたものは、3人に1人が引き出しにしまわれています。調整を受けた補聴器では3%です。
効果が出るかどうかの前に、そもそも使い続けられるかどうかで分かれているということです。くわしくは認定補聴器技能者とはと補聴器と集音器の違いをご覧ください。
聴力そのものが良くなるわけではありません
ここは誤解が多いところなので、はっきり書いておきます。補聴器を使っても、聴力そのものは回復しません。
加齢性難聴や騒音性難聴の多くは、内耳の有毛細胞が傷んだことで起こります。一度傷んだ有毛細胞は、いまの医療では元に戻せません。補聴器は、その失われた部分を修復するのではなく、残っている聞こえの力を最大限に使えるようにする機器です。眼鏡が視力そのものを治すわけではないのと同じです。
ですから「つければ以前とまったく同じに聞こえる」ということはありません。できることとできないことは補聴器は「治す」機器ではありませんにまとめています。
では、何が変わるのか
聴力が戻らないなら何のために使うのか、という話になります。同じ調査では、生活の面での変化を聞いています。
補聴器が役に立っているかをたずねた設問では、「結構役に立っている」49%、「時々役に立つ」36%で、合わせて85%の方が役に立っていると答えました。「ほとんど役に立たない」10%まで含めると、95%の方が何らかの改善を感じています。「まったく役に立たない」は5%でした。

具体的な場面では、71%が「街中を安心して歩けるようになった」と答えています。会話だけでなく、後ろから来る自転車や車の音が聞こえることの安心感です。
お仕事をされている方では、91%が「仕事上で役に立っている」と答え、3分の2が「補聴器によって長く働ける」と考えています。
出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会)。
もっと早く使えばよかった、が56%
補聴器をお持ちの方の56%が「もっと早く使用していればよかった」と答えています。その理由として挙がったのは次のとおりです。

| もっと早く使えばよかった理由 | 割合 |
|---|---|
| より快適な社会生活が送れた | 75% |
| より安定した精神状態でいられた | 35% |
| より良い仕事ができた | 18% |
| 夕方になっても疲れなかった | 8% |
出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会)。n=261、複数回答。
いちばん多いのが「より快適な社会生活」で75%です。聞こえの問題は音が聞こえるかどうかの話に見えますが、実際に困っているのは人と過ごす時間そのものだということが、この数字に出ています。
1日に何時間つけるものですか
よくいただくご質問です。調査では1日の平均使用時間は7.3時間でした(2022年は6.5時間)。一方でまったく使っていない方も11%います。
実際には、朝起きてから寝るまでつけていただくのが基本です。必要なときだけつけるという使い方では、脳が補聴器を通した音に慣れる時間が足りません。つけ始めの違和感については慣らし期間の乗り越え方をご覧ください。
耳に悪いということはありませんか
これもよくお尋ねいただきます。大きすぎる音が耳に負担になるのは事実です。だからこそ、補聴器では聴力に合わせて出力の上限を決めます。その方が不快に感じる大きさを超えないように設定するのが、調整の役割のひとつです。
逆に言えば、聴力を測らずに音量だけを上げていく使い方は避けるべきです。測って合わせる工程があるかどうかは、ここでも効いてきます。
効果は、測って確かめられます
補聴器の効果は、感覚だけでなく数字でも確認できます。補聴器をつけた状態で聴力を測る装用閾値検査と語音聴力検査、耳の中に実際に届いている音を測る実耳測定です。
当サロンでは、ご購入時だけでなく購入後の来店時にもこうした検査を行い、聞こえの変化に合わせて調整を続けています。効果が出ているかどうかを、そのつど確かめられるということです。
また、ご自身の聞こえの変化を記録していただくきこえの手帖もご用意しています。
よくあるご質問
補聴器をつけたら、聞こえるようになりますか
聞き取りやすくはなりますが、難聴になる前とまったく同じ聞こえに戻るわけではありません。調査では54%の方が満足していると答えています。満足できるかどうかは、聴力を測って合わせる工程があったかどうかで大きく分かれます。
補聴器を使うと聴力は改善しますか
改善しません。傷んだ内耳の有毛細胞は、いまの医療では元に戻せません。補聴器は残っている聞こえの力を活かす機器です。
補聴器は1日何時間つけるべきですか
朝起きてから寝るまでが基本です。調査では1日の平均使用時間は7.3時間でした。必要なときだけという使い方では、音に慣れる時間が足りません。
補聴器は耳に良くないのではありませんか
聴力に合わせて出力の上限を決めるため、不快な大きさを超えないように設定します。逆に、聴力を測らずに音量だけを上げていく使い方は避けてください。
効果があったかどうかは、どう確かめますか
補聴器をつけた状態での聴力検査や語音聴力検査、実耳測定で確かめられます。感覚だけに頼らず、数字で見てから次の調整に移ります。
効果は、測って確かめられます
聴力の測定とご相談は無料です。その日にお決めいただく必要はありません。全店でお試しレンタルを承っていますので、実際の生活で効き方を確かめていただけます。



