補聴器の値段はいくら?片耳およそ9万〜70万円の目安

補聴器の値段は、片耳でおよそ9万円から70万円です。同じメーカーの中でも7倍以上の開きがあるため、「結局いくらなのか」がわかりにくい商品です。

この記事では、価格を決めているのは何なのか、本体以外に何がかかるのかを、おおよその目安として整理します。

目次

おおよその価格帯

補聴器はグレード(クラス)で価格が決まります。同じ形・同じ見た目でも、中の音の処理能力によって段階が分かれている、という作りです。

グレード片耳のおよその価格向いている場面
エントリー約9万〜15万円自宅など静かな場所での会話が中心
標準約15万〜30万円外出や買い物、少人数での会話
上位約30万〜50万円騒がしい場所での聞き取りを重視したい
最上位約50万〜70万円会議や会食など、複数人での会話が多い
補聴器のグレード別の価格帯。エントリー約9万〜15万円、標準約15万〜30万円、上位約30万〜50万円、最上位約50万〜70万円(片耳)

どの価格帯を選ぶかは、普段どんな場面での聞き取りに困っているかで決まります。自宅など静かな場所での会話が中心であれば、10万円台から選ぶことができます。一方で、騒がしい場所や複数人での会話を重視される方は、雑音を抑える機能や声の方向を捉える機能が充実した30万円台以上をお選びになることが多くなっています。

そのため「予算はいくら必要か」を先に決めるよりも、どんな場面で困っているかを整理してからグレードを選ぶほうが、納得のいく買い方になります。

静かな場所での会話が中心なら

自宅の食卓で穏やかに会話している高齢のご夫婦
静かな自宅での会話が中心なら、エントリークラス(約9万〜15万円)から選べます

ご自宅で家族と話す、電話に出る、テレビを見るといった場面が中心であれば、基本的な機能を備えたモデルで足りることが多くなります。

にぎやかな場所での聞き取りを重視するなら

混み合った飲食店で、相手の話を聞き取ろうと身を乗り出している場面
周囲の音が大きい場所では、雑音を抑える機能の精度が効いてきます

飲食店や人の多い場所では、聞きたい声と周囲の雑音が重なります。この環境で必要な声を選び取る処理は上位モデルほど得意なため、上位クラス(約30万〜50万円)を検討される方が多くなります。

複数人での会話や会議が多いなら

会議室で、離れた席の発言を聞き取ろうと集中している場面
離れた席からの発言を聞き取る場面は、もっとも難しい条件のひとつです

離れた席の人が話す、複数の人が次々に発言する、という条件はもっとも難しくなります。声の方向を捉える機能や自動で切り替わる機能が充実した最上位クラス(約50万〜70万円)が候補になります。

もっとも求められているのに、満たされにくい場面

自宅で受話器を耳に押し当て、反対の耳を手でふさいで電話の相手の声を聞き取ろうとしている高齢の男性
電話は相手の口元が見えず、音質も限られるため、もともと聞き取りの難しい場面です

日本補聴器工業会の調査では、聞こえがもっとも必要とされる場面の1位は「電話で話すとき」で50%、2位が「家族との団らん」で46%でした。ところが同じ調査で満足度を見ると、電話での会話は満足44%・不満30%と、満たされていないほうに入っています(出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会))。

電話は相手の口元が見えず、音質も限られるため、もともと聞き取りの難しい条件です。ここを改善したい場合は、スマートフォンと連携して通話の音を補聴器へ直接届ける機能が有効で、この機能の対応範囲はグレードやメーカーによって変わります。詳しくは「スマホと連携できる補聴器|Bluetooth機能でできること」でご紹介しています。

消費税 非課税

補聴器に消費税はかかりません

表示価格のまま、上乗せはありません。

※片耳・非課税のおおよその目安です。補聴器は価格改定が比較的よくあるため、実際の価格は店舗にお問い合わせください。両耳でお使いになる場合は、単純にこの2倍が目安になります。

実際にいくらで買われているか

日本補聴器工業会が全国で実施している調査では、補聴器販売店で補聴器を購入した人の価格は、片耳1台あたり10万〜20万円がもっとも多く43%、20万〜30万円が16%で、10万〜30万円に59%が収まっています。10万円以上で購入した人は73%でした。

補聴器を購入したときの価格の分布。片耳1台あたり10万〜20万円が43%、20万〜30万円が16%で、10万〜30万円が全体の59%を占める
補聴器販売店で購入した人の、片耳1台あたりの購入価格

同じ調査で通販や集音器について集計した結果では、2万〜3万円未満が25%、1万〜2万円未満と5万〜10万円未満がそれぞれ20%と、価格帯がまったく違います。桁の違うものが同じ「補聴器」という言葉で売られていることが、値段のわかりにくさにつながっています。

出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会)。補聴器販売店で販売員から入手した補聴器 n=333、通販・集音器 n=75。

メーカーによる価格帯の差は、思ったほど大きくありません

「どのメーカーが安いのか」というご質問をよくいただきますが、当店で取り扱う7社は、いずれも片耳でおよそ10万円から70万円の範囲に収まっています。メーカーを選べば大きく安くなる、という性質のものではありません。

強いて言えば、入口の価格に多少の違いがあります。エントリーモデルが9万円台から始まるメーカーもあれば、15万円ほどからのメーカーもあります。ただし上限はどのメーカーもおおむね60万円台から70万円で揃っています。

そのため、メーカーで絞り込むよりも、どのグレードが自分に必要かを先に決めるほうが、価格の見当がつけやすくなります。

価格に差が出る理由

音の処理能力

補聴器の価格差の多くは、内部のコンピュータチップがどれだけ精密に音を処理できるかという「処理能力」の違いによるものです。

周囲の音を分析して話し声と雑音を細かく聞き分ける能力や、騒がしい場所と静かな場所を自動で判別して音質を切り替える能力などは、上位モデルほど高度になっている傾向があります。

具体的には、価格帯が上がるにつれて次のような機能が充実していきます(機種・メーカーによって異なります)。

  • 雑音を抑える機能の精度(騒がしい場所での聞き取りへの対応力)
  • 特定の方向からの音を聞き取りやすくする指向性機能の精度
  • スマートフォンなどとの連携(ワイヤレス機能)の対応範囲
  • 自動で音量や音質を調整する機能のきめ細かさ

一方で、価格が抑えられたモデルであっても、基本的な「音を増幅して届ける」という機能はしっかりと備わっています。

器種のタイプ

耳の形に合わせて作るオーダーメイドの耳あな型は、既製品の耳かけ型より入口の価格がやや高くなります。耳かけ型は9万円台から選べるメーカーがありますが、耳あな型はおおむね10万円台からです。

オーダーメイドの耳あな型補聴器
耳あな型(オーダーメイド)。耳の形を採型して作ります。写真はユニトロン
耳かけ型の補聴器
耳かけ型。既製品のため入口の価格を抑えやすいタイプです。写真はユニトロン

本体価格以外にかかるもの

見積もりの段階で差が出やすいのが、本体以外の費用です。ここは事前に確認しておいたほうがよい部分です。

充電器

充電式の補聴器は、充電器が本体価格に含まれる場合と別途になる場合があり、メーカーによって扱いが違います。別売りの場合、据え置きタイプでおよそ1万円台後半、蓄電機能付きで持ち運べるタイプはおよそ3万円台が目安です。

補聴器を差して使う据え置きタイプの充電器
据え置きタイプの充電器。写真はワイデックス

電池(電池式の場合)

電池式を選んだ場合は、空気電池の交換費用が継続的にかかります。1個あたり数十円から100円台で、使用時間によりますが両耳で月に数百円程度が目安です。

耳せん・イヤモールド

耳かけ型の場合、既製の耳せんではなく耳の形に合わせたイヤモールドを作ることがあります。この場合はおよそ1万円台からの費用がかかります。

周辺機器

テレビの音声を補聴器に直接届ける機器や、離れた相手の声を届けるリモートマイクなどのアクセサリーは、およそ2万円台から6万円台が目安です。

テレビの音声を補聴器に届ける機器
テレビの音声を補聴器へ直接届ける機器。写真はワイデックス
会話の声を補聴器に届けるテーブルマイク
複数人での会話に使うテーブル型のマイク。写真はスターキー

よくいただくご質問

補聴器の一般的な値段はいくらですか

片耳でおよそ9万円から70万円が全体の幅です。両耳でお使いになる場合は、単純にその2倍が目安になります。

静かな環境での会話が中心の方は10万円台から、騒がしい場所での聞き取りを重視される方は30万円台以上をお選びになることが多く、当店では後者の割合が高くなっています。ご予算の範囲でどこまでの機能が必要かは、聴力と生活の様子をうかがったうえでご提案しています。

いちばん安いものはいくらからありますか

耳かけ型なら片耳およそ9万円台から、耳あな型ならおよそ10万円台からです。ただし安価なモデルは搭載される機能が絞られているため、騒がしい場所での聞き取りを重視される場合は、実際に試聴して確認されることをおすすめします。

数千円で売っている機器とは何が違うのですか

通販などで数千円から数万円で売られているものは、多くが「集音器」で、医療機器である補聴器とは別のものです。補聴器は管理医療機器として認証を受けており、一人ひとりの聴力に合わせて調整することが前提になっています。集音器は周囲の音を一律に大きくするもので、聴力に合わせた調整はできません。

高い補聴器と安い補聴器は何が違うのですか

主に音の処理能力です。安いモデルでも音を大きくして届ける基本の働きは同じですが、騒がしい場所で必要な声だけを選び取る、場面に応じて自動で切り替える、といった処理の精度が変わります。静かな環境が中心の方と、外出や会議が多い方では、必要な価格帯が変わってきます。

片耳だけでも大丈夫ですか

費用を抑えるために片耳を選ばれる方もいらっしゃいますが、両耳の聴力が下がっている場合は、両耳で使ったほうが音の方向感や騒がしい場所での聞き取りで有利になります。ご予算とあわせて店頭でご相談ください。

補聴器に消費税はかかりますか

補聴器の本体は管理医療機器として消費税が非課税です。この記事の価格もすべて非課税の金額です。ただし周辺機器やアクセサリーは課税対象になるものがあります。

ところが日本補聴器工業会の調査では、補聴器が非課税であることを知っている人は、聞こえに困っている人全体で13%にとどまっています(出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会))。表示されている価格に税が上乗せされることはありませんので、他の買い物と比べるときはこの点も見ておいてください。

負担を軽くできる場合があります

障害者手帳をお持ちの場合の補装具費支給制度、手帳の対象にならない場合の自治体独自の助成、医療費控除など、費用の負担を軽くできる制度があります。制度によって購入するお店に条件がある場合もあるため、購入前にご確認ください。

詳しくは「補聴器の補助金・助成金|手帳・自治体の助成・医療費控除」でご案内しています。

価格の高さだけで選ばないために

大切なのは、価格の高さそのものではなく、ご自身の生活スタイルに合った機能が搭載されているかどうかです。自宅で静かに過ごす時間が中心の方と、外出や人との会話が多い方とでは、重視すべき機能が異なります。

当店では全店でお試しレンタルを実施していますので、候補の機種を実際にご自身の生活環境で使ってから決めていただけます。聴力の測定とご相談は無料です。

価格だけでなく、困っている場面と形もあわせて決めていく手順は、補聴器のおすすめはどう選ぶ?場面・形・価格の3つで絞り込むにまとめています。

補聴器を何年くらい使えるかは「補聴器の耐用年数と寿命|何年使える?買い替えの目安」にまとめています。

片耳と両耳のどちらにするかは「補聴器は片耳と両耳、どっちがいい?満足度は両耳58%・片耳50%」にまとめています。

まとめ

補聴器の値段は片耳でおよそ9万円から70万円。価格を決めているのは主にグレードで、メーカーによる価格帯の差は思ったほど大きくありません。これに充電器や耳せんなどの費用が加わります。

価格の高さだけで選ぶのではなく、どんな場面での聞こえを重視したいかを軸に、機能とのバランスで選ぶことをおすすめします。

メーカーごとの考え方や得意分野の違いは「補聴器のメーカー一覧|世界の5グループと国内メーカー、当サロン取扱の7ブランド」でご紹介しています。

当店の価格に含まれているサービスについては「費用について」をご覧ください。

買う前に、試せます

実際の聞こえは、つけてみないと分かりません。全店でお試しレンタルを承っています。ご予算やご希望をうかがったうえで、合いそうな機種をご案内します。

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