補聴器を嫌がる親に、どう声をかける?

「本人に補聴器の話をすると機嫌が悪くなる」「年のせいだからと取り合ってもらえない」——こうしたお悩みは、ご家族からのご相談で非常によく聞かれる内容です。

目次

まず知っておきたいこと

聞こえにくさを指摘されることは、多くの方にとって「老い」を突きつけられるように感じられ、抵抗感につながりやすいものです。頭ごなしに「耳が遠い」「病院に行くべき」と伝えると、かえって話を聞いてもらえなくなることがあります。

ご本人が何を考えているかは、調査に出ています

日本補聴器工業会の全国調査で、聞こえにくい自覚があるのに耳鼻科を受診しなかった方に理由をたずねた結果です。

受診しなかった理由割合
特に困っていなかった48%
年齢によるものだから仕方ないと思った43%
耳鼻科医に行っても改善しないと思った18%
補聴器は高額で手が出ないと思った16%
補聴器はうるさいだけと聞いている10%
補聴器は恥ずかしい・年寄りっぽいと思った7%

上位2つが「困っていない」「年のせいだから仕方ない」で、「恥ずかしい」は7%にとどまります。ご家族はつい「恥ずかしがらなくていいよ」と声をかけがちですが、ご本人が引っかかっているのはそこではないことが多い、ということです。

また、補聴器を使わない理由としてもっとも多く挙がるのは「補聴器はわずらわしいから」で55%でした。見た目ではなく、面倒そうだ、という感覚のほうが壁になっています。

JapanTrak 2025の調査。受診しなかった理由は、特に困っていなかった48%、年齢のせいだと思った43%、行っても改善しないと思った18%、補聴器は高額だと思った16%、補聴器はうるさいと聞いた10%、恥ずかしい・年寄りっぽい7%
聞こえにくい自覚があるのに、耳鼻科を受診しなかった理由

出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会)。受診しなかった理由 n=718、使わない理由は難聴度の高い上位50%の補聴器非所有者 n=254。

伝え方のヒント

和室の座卓に並んで座り、お茶を前に静かに話す二人の男性
一度で説得しようとせず、ふだんの会話の中で
  • 「耳が悪い」ではなく「一緒に聞こえのチェックだけしてみない?」と、検査であって診断ではないことを伝える
  • 本人の困りごと(テレビの音量で家族に注意される、会話で聞き返して気まずい思いをする、など)に寄り添う形で話す
  • 一度で説得しようとせず、時間をかけて何度か話題に出す
  • 「みんなで一緒に」というニュアンスを大切にする(自分だけが対象にされていると感じさせない)

ご家族の声かけは、実際に届いています

同じ調査で、耳鼻科を受診したきっかけを聞くと、1位が「会話や日常生活で不便を感じた」44%、2位が「家族に勧められた」で28%でした。3位の「健康診断で指摘された」17%を大きく上回っています。

一方、実際に補聴器の購入を最終的に決めた動機は、「聞こえが悪くなったから」55%、「耳鼻科医師が勧めたから」14%、配偶者7%、子ども6%という順でした。

つまり受診まで背中を押すのはご家族、買うかどうかを決めるのはご本人の実感と医師の言葉、という役割分担になっています。ご家族が「補聴器を買わせる」ところまで引き受けようとすると話がこじれますが、「一度耳鼻科で診てもらおう」までに絞れば、いちばん効く立ち位置にいるということです。

出典:JapanTrak 2025(一般社団法人日本補聴器工業会)。受診のきっかけ n=591、購入の決め手は補聴器所有者 n=448。

値段や保険、つけやすさを順番に整理したものは、高齢の親に補聴器を考えるとき|値段・保険・つけやすさを順番ににまとめています。

ご家族だけでの相談も可能です

本人がまだその気になれない段階でも、ご家族だけで先に店頭にご相談いただくことができます。どのように声をかけたらよいか、実際にどんな体験会があるかなど、具体的な情報を持って本人に話すことで、話が進みやすくなるケースも多くあります。

無理に急かす必要はありません。まずはご家族が正しい情報を知っておくことから始めてみてください。

店舗一覧・ご相談はこちら

帰省のときに確かめたい点は「帰省したときにできる、親の「聞こえ」チェック」にまとめています。ご家族の接し方は「使い始めた家族にどう接する?まわりの人ができるサポート」にまとめています。

聞こえのご相談を承っています

ご本人がご一緒でなくても、ご家族だけでのご相談を承ります。まずは聞こえの測定からご案内します。認定補聴器技能者が対応し、その日にお決めいただく必要はありません。

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